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「香り高い文化の村・若者に魅力のある村づくり」をめざして

中山与志夫(新潟県朝日村長)

 

朝日村は、新潟市から北東へ60km県北に位置し、面積は629.32km、全国で2番目に広い農林業の村です。
美味しいコシヒカリの産地として、いま消費地から注目されております。
朝日村には、百数十年前から村民によって演じられ、受け継がれてきた「大須戸能」があります。
能楽師でない農村の村民によって針仕事のかたわら演じられ伝承してきた稀有の文化であり、きらびやかな五流の能に対し、生活に密着し生き続けた庶民的で素朴な能であります。
昭和30年に新潟県の無形文化財に指定されております。
平成4年には、国際交流の一環として米国のアトランタ市とコロンバス市で海外公演を行い、各会場とも満席の盛況で、現地のマスコミにも大きく取り上げられ大成功のうちに帰国できたことは、大地から生まれた農民芸能が異国の多くの人々に理解されたものと喜んでおります。
今年11月26日には、東京の国立能楽堂で公演を計画しており、朝日村の文化が中央で広く理解されることを期待しております。
朝日村は豊かな自然が数多く残っておりますが、中でも全長52.7kmの朝日スーパーライン沿線は、樹齢200年とも言われるブナの原生林に覆われ、全国的にも数少ない貴重な地域として、新潟県でも唯一「全国水源の森100選」に選ばれました。
永く後世に残すべき大きな使命を感じております。
沿線30km地点に「鳴海金山」跡があります。
鳴海金山の歴史は、佐渡の金山よりも古く大同2年(807年)の発見から江戸幕府末期まで採掘が続き、上杉氏の領地であった大正から慶長の頃には、全国一の産金量を誇り、慶長2年には全国の領主から秀吉のもとに運上された黄金の3割を占めていたといわれております。
当時のタヌキ堀(手堀)の跡と、荒々しい岩肌がそのまま残されていて、全国でも例を見ない金山跡として、その歴史的価値や神秘性が注目されており、朝日村の観光の一翼を相っております。
観光の面では、ふるさと創生事業で掘り当てた「まほろば温泉」は、国道7号線沿いという好立地にも恵まれ、良質源泉が人気を集め、近郷・近在に限らず、遠く県内外から毎日平均300人がここを訪れております。
観光の拠点として整備を進めている「みどりの里」は、この「まほろば温泉」を活用して、ほかに類をみない特色ある観光を日指して、クアハウスや宿泊施設、温泉熱を利用した園芸ハウス等を整備中であり、建設省と連携して建設を進めている道の駅は「温泉のある道の駅」として、建設中にもかかわらず人気は上々で、完成が待たれております。
「みどりの里」周辺は、果樹、園芸の適地として評価されておりますので、一帯を果樹園として整備し、「フルーツの里」として観光と結びつけた産地化を夢みているところです。
朝日村の産業の主体は農業であり、中でも米づくりが主流で県下でも特に認められた美味しい米の産地ですが、出荷量は約8万俵で産地化には、量的に難しい面がありますが、それだけに消費者からは注目されております。
美味しいコシヒカリと、豊かな自然は朝日村の財産です。
国際化の時代、情報化の時代、地方の時代いろいろ言われておりますが、地方分権の推移を視野に入れながら、地域の特性を活かした文化の香り高い村、若者が定住する村、そんな村づくりを夢みて頑張っているところです。

 

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